宣材写真撮影時の服選びとヘアメイク
美しく見せる方法は必要とするイメージによって違ってきます。顔立ちや体型によっても変わってきまし美意識も時代によって変化します。受け手の年齢や土地によっても違うでしょう。美しくみせる方法は細かく説明するほど合う合わない個人差が出てきます。ですからこれらは一例であって、どちらを選んだ方がより目的のイメージに近づけるか。あなたらしくするにはどちらを選択したらよいのかを考えるきっかけにして下さい。
choice of apparel
服の選び方・ヘアメイク
襟付きと襟無し
ご覧の通り、襟付きは真面目な印象を与え、襟無しは親近感を与えます。この写真にもいろんな要素があります。もっと真面目に見せるなら斜に構えた顔や身体を正面に持ってくる。身体の方向より顔の方向がカメラ側に向いているのは顔にポイントを置いた写真です。髪の毛を耳にかける、耳を出すと明るい印象を与えます。一方、身体と顔の向きをいっしょにすると柔らかな感じになります。
日本人は和服が似合う。和の服ですから当然。というのは簡単です。持論で云えば、日本人の顔立ちや体型を美しくするために発展した服と言えます。和人の体型や顔立ちを考えてください。服は人に合わせて作られるもの。その服を着た人が綺麗に見せるように作られたのですから郷土に根付いた服はその土地の人を綺麗に見せるための長年の知恵が織り込まれたものだと思います。
例えば、和服の襟はVネックです。柔らかな顔立ちをシャープに見せます。ウエストに括れがない、強調しなければ視線は顔に行きます。身体を一枚の布、ワンピースで包んでいることも視線が顔に向かす要因でしょう。オーバーアクションをしない、する必要が無い?顔の表情や細かな仕草を見て相手の気持ちを判断したのでしょうか。
絶対的に考えるのではなく相対的に考える。要するにバランスが大切です。
西洋の建築も日本・アジアの建築の歴史は知りませんがライティングにおいて日本家屋も日本女性を美しく見せます。
無地と柄物
細かな柄はすっきりしません。見る側の視線を分散してしまいます。ここでピンクや黄色、青など色着きの背景紙を使わないのはその理由です。
また、モデル事務所で使用する場合は競合のことも考え、ブランド名が入った服は避けた方が良いでしょう。(競合:ライバル会社。宣材をクライアントに渡す時にクライアントのライバル会社の服を着ていたら余り良い気分はしません。)
フレームサイズでイメージが変わる
カメラマンは目的によって写真のフレームサイズを変えます。そのことをフレーミングと云ってます。
上の写真と比べてどうでしょうか。顔をアップ気味の写真と少し引いて撮った写真、顔を大きく撮ると若さ・幼さが出て、引いて撮ると落ち着きが出ます。


グラビアなどスタイルが重要な場合はバストラインなど相手が知りたい情報を写真にいれます。
フレームサイズを表す用語は、アップショット、バストアップ、ウエストショット、ニーショット、ロングなどがあります。詳しくはweb-Lessonでお話しします。
明暗色のバランス
右の絵は分かりやすく上下二分の一の長さになっています。同じ面積です。服を選び時、スタイルを良く見せるためには重心を高くするように形と配色に気を付けましょう。
明るい色は膨張色といって暗い色の服で統一する方がいますが、良いスタイルは明るい色と暗い色のバランスを考えないといけません。高い低い、長い短い、太い細いは対比です。勿論、長袖、半袖、ノースリーブでもバランスが変わってきます。あなたの体型やイメージに合わせて選んで下さい。
髪型・ヘアスタイル
宣材写真は情報を写すわけですから髪の長さを相手にわかってもらう必要があります。基本的にアップにはしません。モデル事務所に入って宣材を配ります。その写真と同じ髪の毛の長さにしていなければいけません。クライアントは髪の毛の長さで選んでいるかも知れません。髪型を変えたい場合は事務所のマネージャーに相談してからにしましょう。カットモデルに決まったときは本番まで拘束期間があります。
宣材撮影時のメイクはナチュラルメイクです。
レタッチ(修正)
宣材写真ですから正しく情報を伝えます。ですからレタッチは髪色や肌色調整のため、ライティングでは出来ない階調やコントラストの修正するだけです。あとは、そばかすやしわなどメイクでも対応できるものに対しても行っています。ただ、これらに関しては被写体の魅力になるかも知れません。本人と使用目的など確認してから作業します。
ポートフォリオ・コンポジットの作り方
数で勝負、なんでも入れちゃえ!はやめましょう。選択写真はあなたのセンスを見られていることです。入れる順序は歴史を見せるわけではないので新しいものが前、後ろが過去のもの。作品、仕事と媒体別にした方が見やすくなります。
写真を入れるファイルは安物を使ってはダメです。センスのよいモノにしましょう。ポートフォリオにおいて写真はあなた、ファイルは服と同じです。
宣材にブーツは避けた方がいい
ブーツ、可愛いです。ブーツに限らず”可愛いもの”を身に着けたという気持ちは大切です。ただ宣材写真は情報ですから脚のラインを隠すことになるブーツは避けた方が良いです。お気に入りならポートフォリオ用として使いましょう。
背景の選び方
宣材に背景の決まりはありません。野外でもスタジオでも大丈夫です。事務所によって統一感がある場合が多いですので事務所所属の方は事前に事務所のホームページなど参考になる写真を用意した方がいいでしょう。